同愛記念病院 泌尿器科 部長 西松寛明
皆さん、初めまして本年4月から泌尿器科部長拝命した西松です。よろしく御願いいたします。当院にロボット支援手術システムが導入されましたのでご案内します。
腹腔鏡手術、今や外科の基本手術となっています。気腹圧により出血が少ない、傷が小さいという腹腔鏡の特徴を活かして、これにロボットによる従来困難とされていた角度での視野の確保や、関節のある鉗子で緻密かつ大胆な動きを可能にした手術がロボット支援手術です。その技術特性と操作性は患者さんや医療スタッフにとっても大きなメリットがあり、概要を図1に示しました。現時点で薬事認可を受けているロボット支援手術器具はIntuitive Surgical社製の、da Vinci Surgical system(以下、ダビンチと略します。)です。
図1.da Vinciサージカルシステムについて
前立腺がんのダビンチ手術は、国内ではまだ限られた施設でしか本格的に導入はすすんでいませんが、アメリカでは前立腺がんの90%近くがダビンチ手術で行われ、すでに標準的な治療法として確立されている手術で、世界では2012年実績で450,000例のダビンチ手術が行われています。
導入以降着実に準備を進めてきました(図2)、先日、6月24日に1例目の前立腺全摘手術が無事終了することができました。患者さんの術後経過も良好です(図3)。
図2.右)ダビンチが同愛記念病院に到着。
(左より)佐野事務部長、前田副院長、平野中央手術室部長、ME大橋主任および泌尿器科スタッフ。
図3.6月24日記念初のロボット支援手術
左)ペイシエントカートと術野 右)サージャンコンソール
泌尿器科での前立腺癌手術から始まった同愛記念病院でのロボット支援手術ですが、今後は外科系診療科全体で横の協力体制を深めて同愛記念病院の外科部門治療の発展と向上に努めていきたいと思います。